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Table2 Numerical data and result horizontal vibration

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3.3 伸縮振動

伸縮振動の場合も外力が明確でないが、周波数特性を調べておく(Table3)。注意する事は、長手方向の伸縮低

Table3 Numerical data and result for longitudinal vibration

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次モードが、構造全体としての低次モードになっている点である。
4. 固有振動教に対するFEM解析例この節では、4560m×1000m×4.5mのポンツーン型浮体構造に対して、立体ラーメン要素を用いたFEM固有振動解析を行い、前節の結果と比較検討を行う。
解析対称構造は、Fig.7の様な対称なものと、Fig.8の様な非対称なものである10)。
対称な構造解析例では、簡易モデルから予想されたように、水平曲げ振動や伸縮振動が比較的低周波数で現れる。またω0 = 1.625/s付近からは(long×short)=(heave×pitch)等、様々な組み合わせが多種多様に現れる。
非対称な構造解析例では、これらの他にいくつかの特異なモードが存在することがわかる。特に、細い部分と太い部分でモードが別れ、全体としてのモードではなく、各部分でのモードが出ることが注目される。例えば細い部分が片持ち梁の1次モードのように握ったり、太い部分の隈がぱたぱた振れるモードが見られる。
これらより、特に係留のないポンツーン型浮体構造に関しては、鉛直方向の振動のみならず、水平面内の曲げ振動や伸縮振動も考慮に入れなければならない、といえる。
5. 結言
本研究では、まず鈴木らの研究をさらに押し進め、特性波数等、基本特性について考察し新たな知見を得た。また、4560m×1000mの海上空港を想定したポンツーン型浮体構造を例に取り、この構造の動的弾性挙動について考察した。
得られた結果をまとめると以下のようになる。
1. 周波数応答は大きく波数領域と周波数領域とに分けられるが、浮体構造の稼動する周波数範囲として、波数領域での応答特性を満へ上げることは重要である。
2. 波数領域では鈴木の特性波数が支配パラメータとなり、様々な特性値が特性波数を用いて表される。
3. 4560m×1000mの海上空港を想定した超大型浮体構造について、固有振動数を一様梁で計算したものと平面骨組モデルに対する計算結果との比較から、固有振動数については一様梁で十分推定できることが判った。
4. この程度の規模になると、水平面内での曲げ振動、伸縮振動も注意しなければならない事がわかった。
参考文献
1)宮島省吾、馬寧:超大型浮体式海洋構造物の弾性応答について―最近の研究動向―、第13回海洋工学シンポジウム、日本造船学会、(1995)、pp.177−184.
2)山下誠也、宮島省吾:海洋工学に関する研究動向―超大型浮体式構造物に関する研究―、日本造船学会誌第786号(1994)、pp.912−915.
3)Toki,N.: A Study on the Behavior of Huge Floating Structure in Regular Waves, Journal of Society of Naval Architects of Japan, Vol,146(1979), pp.185-194.
4)Endo, H. and Hosino, K.: Prametric Study on the Dynamic Response of Floating Compliant Structures in Regular Waves, Proc. 0MAE, Vol.III(1986)、PP.194-199.
5)服部陽一、深澤塔一、関原光博、東祐史:巨大箱型構造物の動荷重下の構造応答、日本造船学会論文集、第178号(1995)、pp,399-403.
6)鈴木英之、吉田宏一郎:超大型浮体の構造挙動および構造設計に関する考察、日本造船学会論文集、第178号(1995)、pp.473-483.
7)鈴木英之、吉田宏一郎:超大型浮体の構造挙動および構造設計に関する考察−その2:弾性変形を考慮した復元性及び構造応答の設計−、日本造船学会論文集、第179号(1996)、pp.339-348.
8)藤久保昌彦、矢尾哲也、笈田弘紀:一次元有限要素モデルによる超大型浮体の波浪中構造応答解析、日本造船学会論文集、第179号(1996)、pp.349-358.
9)坪郷尚、番場憲浩、岡田博雄:骨組要素モデルを用いた超大型浮体構造の動的弾性挙動に関する研究、日本造船学会海洋工学委員会構造部会資料OS117−5(1996).
1O)番場憲浩:骨組要素モデルを用いた超大型浮体構造の動的弾性挙動に関する研究、平成7年度修士論文(1996).

 

 

 

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